ひびきあうもの


©Yuna Yagi 祈りの手前
ひびきあうもの


9回目を迎える今年のひびきあうものは、「intimacy(親密)」がテーマです。Intimacyという言葉には、特別な人や、動植物、鉱物、物や空間との関係が、とても個人的かつ密やかであるということを表わす言葉であり、同時に「愛しさ」という意味も含まれています。この温かく蜜な心情を持てると、とても満ち足りた気持ちになれます。今回のひびきあうものでは、八木夕菜さんのアート作品を中心に、アートとクラフト、商品と作品というカテゴリーを超えて、観る人が自由に目の前の物と向き合い、それらが持つ真価や真意を、情報の枠の中ではなく、その場で個人的に感じ、対話してもらう場となることを心がけました。そのための特別な空間として、第1回目から会場である清光院下のギャラリーと、さらにもう1箇所、個人宅でありながら、自分たちが満足できる用の美の物が並んだ店として生まれ変わったHOME SWEET HOMEという2つの会場で行います。どうぞ、それぞれの作品があなただけに打ち明ける確かで密やかな真価を見つけにお出かけください。

ただいまウェブサイトの更新中です。順次、詳細は公開いたします。






「ひとつになる世界」(2015)、「崩れゆく世界」(2016)、「祈りの空間」(2017)というシリーズで、写真を超えた写真表現として、観る者の感情を揺さぶり、同時に深い感銘をもたらす作品を次々に発表している八木夕菜さんは、京都在住のアーティストであり写真家です。今年の6月に東京で行われた「NOWHERE」と題された個展においては、人々の「視る」という行為の認識に、新たな知覚をもたらすものとして、その評価と期待は国内外を問わず益々高まっている作家です。
建築家として出発した経験からくる豊富な知識と体験に基づく建築への受容が下敷きとなり、見えざるものを見て、聞こえざるものを聞きとる詩的で柔らかな視点と、厳密で緻密な行為の絶えざる繰り返しは、圧倒的な強度のある優れた作品を生み出しています。
山陰では初めてとなる展示です。ギャラリー奥の深い森の気配は、さらに視る者の心を捉えることでしょう。現代性の中にも太古から息づく精妙な粒子を感じさせる八木さんの作品の真価を、どうぞゆっくりご鑑賞ください。

©Mikito Tateisi
八木夕菜
una Yagi[京都]

2004年ニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部卒業。坂茂建築設計ニューヨーク支社を経て、ベルリンへ移る。その後アーティストとして本格的な活動を開始。 2010年より、京都を拠点に移し、国内外で活動する。近年では、世界を旅して撮影した建築写真をアクリルブロックにとじ込めた立体作品群「ひとつになる世界」や、写真に幾何学のアルゴリズムを施し、水を用いたインスタレーション「崩れゆく世界」、日本の葬祭場から日本人の死生観を考察し、空間インスタレーションで表現した「祈りの空間」などを発表。2016年KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭ポートフォリオ・レヴューにてハッセルブラッド賞受賞。




Art & Works



山陰の豊かな自然
太古から変わらぬ恵みを受けながら、素材とのたゆまぬ対話を通して生み出される形の数々。 それらは一見するとシンプルで静かな佇まいを持つ。
けれどもただ簡素になっているのではなく、その形となるところには、作者をとりまく自然と個人の豊かな精神性の源流を持つ。
その人がそこで作るからおのずと物に一つの顔が与えられる。


宮本 崇輝
Takaki Miyamoto[富山]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


美大でガラス工芸を学び、ガラス作家の元での修行を経て、2016年にデンマーク人の吹きガラス作家トビアス・モールのアシスタントとして務めながら、手仕事の品々が生活の場に馴染む北欧の人々の暮らし方を体感したことで、より生活に即した作風を心がけるようになった。その後、デンマークのボーンホルム島での製作が、多様な色ガラスを用いた作品を生み出し、現在は富山ガラス造形研究所で助手として勤務しながら製作している。単なるシンプリズムに止まらない、装飾されたものの豊饒さと同時に、おおらかで健やかなものを追求している。
米田 由美子
Yumiko Yoneda[オランダ]
清光院下のギャラリー


大学卒業後にオランダの美術アカデミーで学び、以来ずっとオランダに住んで作品を製作し発表している。国内ではあえて地元のみでの発表にとどめているが、ヨーロッパを中心に年々その評価が高まり、個展や企画展参加の依頼が増えている。白くて丸い造形には、安らぎや安定感を与えるとし、インターナショナルに通じるテーマ性をもとに、手工芸過程を製作に取り入れた独自の造形としている。その作風は個人宅のみならず、公共施設にも多く設置され人目を引いている。代表作「感情のポートレート」「intimacy」
吾郷屋(吾郷直紀)[出雲]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


書道家の祖父、父の影響で、常に紙は身近な存在であり、小さい頃から大の紙好き。それが高じて独学ながら精緻な製本技術を獲得する。近年は紙で紙の象嵌をほどこすというミクロ単位の技を駆使して工芸やアートに通じる作品を手がけている。卓越した技がベースとなりながら、ユーモアや稚気にあふれた独特の作風は、見る者の心を充分に和ませる。今回は織物作家の樋野由紀子さんが草木染めした糸を使ったハナギレ(ノートの背表紙の上部の本文との間にわずかに見えるもの、大抵は飾りになっている。)を実際に編んで留めたノートが初めて並ぶ。
https://www.facebook.com/agouya/
ミントチュチュレザー(川口淳平)[米子]
清光院下のギャラリー


独学で革工芸を学ぶ。常に使う人が長く美しく使えるようなものを、と試行錯誤を続けながら、タンニンなめしの風合いを生かした革製品を生み出している。近年は、松江藩藤細工の長崎誠氏に師事し、藤を素材にしたかごも習得。さらに長崎家8代目を襲名して一子相伝となる花結びのかごの製作にも注目が集まっている。革はもちろんのこと、帆布、藤、手織りの綿布を品良くミックスさせて、独自の使いやすく美しいものづくりは、幅広い年齢層のファンを持つ。 出展:革、帆布のバッグ。長崎家花結びの藤のバッグ、または茶かご(清院下のギャラリー)
http://www.mint-chu-chu.com
樋野由紀子[出雲]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


岩のりで有名な十六島(うっぷるい)の湾の近くに工房を構えて、海辺の集落の暮らしの中で、草木染めをして手織りの製品を生み出している。その作風は簡素で品のあるものであり、手に取ればすぐに由紀子さんの作品だとわかるような、人柄がにじみ出るものとなっている。糸との対話と、厳選された色使いが清々しい柄を生み、小さな海辺で生まれる織物にはどこか北欧の工芸に通じる安らぎを覚える。
https://www.facebook.com/草木染手織-樋野由紀子-823523594392369/
家具工房en(藤原将史)[松江]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


古代出雲国府の史跡のそば、出雲風土記にも出てくる茶臼山を正面に望む田園地帯の一角に工房を構える。常々、見えないところにこそ作品を表す、ということを心がけて、使いやすくその場に馴染むものを製作している。端正すぎないわずかな隙のある温かな作風。指物の確かな技術を用いながら、柔らかでホッとする造形はまるで人柄を表しているよう。
http://kagukoubou-en.com
森脇製陶所(森脇靖)[邑南]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


広島県との県境に位置する中国山脈の山深い地元を離れることなく作陶を営んでいる。近くには岩屋と呼ばれる巨石信仰のお堂もあり、豊かな自然と歴史の息づく地域だ。益田長石を原料にした手作りの釉薬と石見の土という、地元の素材を使い続けている。四季の移り変わりを感じながら、家族との時間を軸に、ロクロをひく行為によって生まれる形をモットーに、自由自在なあり様を模索し続けている。真面目で実直な人柄、小さなものに寄せる愛情深さに稚気が加わって、シンプルながら特有のスタイルのある器は、食卓に潤いを与える器として人気がある。
http://www.morisei.net
Frenzy(岡本英利哉)[出雲]
清光院下のギャラリー


東京でのセレクトショップ販売員の経験を経て地元に戻り、自宅の続きにセルフビルドの小屋を建てて、一人のための接客、一人のための洋服作りをモットーに店を構え、洋服の販売と同時に仕立ても行っている。男女を問わず、様々な世代や好みに対応できる柔軟性を持ち、デザイン、パターン作成、縫製までを一貫して行う。確かな技術と幅広い経験をもとに、どんな要望にも応えようとする姿勢が、宣伝らしいことをせずとも、口コミでファンを広げている。
廣澤瑛介[出雲]
清光院下のギャラリー


世界を旅して鉱物と出会う過程で、糸で石留めをしてジュエリーにする技法を身につけ、以来、独学で鉱物一つ一つに合ったデザイン、製作を行っている。スサノオのミコトをお祀りする須佐神社のそばの佐田町に工房を構えている。野菜やハーブを育てて自然の恵みを受けながら製作する暮らしをベースに、年に数回、様々な国へ出かけて、鉱物と出会い仕入れをしている。 鉱物や作品の販売に加えて、要望に応じたマクラメジュエリーワークショップも行っている。 鉱物の持つ表情に合わせて、住まい近くの草木で染めた絹糸で編んだジュエリーはどこにもない繊細さと着け心地を提供している。
https://www.facebook.com/EisukeHirosawa
empfangen-candle(中尾淳子)[松江]
清光院下のギャラリー


安らぎと平和をもたらす火へ畏敬の念が出発点として、火を伝え宿すキャンドルを独学で習得し、創意工夫を続けながら製作している。同時に、玉造温泉街での人気ショップ「はこぶね」を夫とともに運営して、意欲的に個人作家の発表の場としている。単なるインテリアとして置かれるもの以上に、そこに火が灯るという意味深さを追求して、ドイツ語で「私」という意味の「Ich」というシリーズが生まれた。
http://www.empfangen-candle.com/
mahina pharmacy[東京]
清光院下のギャラリー
HOME SWEET HOME


月のお薬箱と称して、現代に生きる女性の健やかさのための知識を伝えることを目的に、サイトを立ち上げ、2015年に東京の下北沢に、「mahina pharmacy store」をオープンする。国内外から選んだ良質なエッセンシャルオイルを中心に、体調を整えるサポートとなる品々が集まっている。また積極的にフィールドワークも行い、そこで出会う植物の特性、エネルギーを生かしたコーディアル作りに取り組んでいる。島根に生育するものを原材料とした「月のコーディアル」。宮崎の「太陽のコーディアル」。伊豆大島の「火山のコーディアル」と、その土地と植物の自然な調和、結びつきを、人にも生き生きともたらすことを目的にした飲料は、今後もシリーズ化して続けられる。
http://www.mahinapharmacy.com
天野紺屋青蛙 天野尚(藍染製品)[広瀬]
HOME SWEET HOME


中世の山城富田城の月山のふもと、広瀬地方に伝わる広瀬絣の糸を藍染めしている唯一残る紺屋。変わらぬ技法で綿、麻、絹の糸を染めている。その紺屋の5代目として技法を受け継ぎながら、布染めの生地を使った様々なアイテムの小物も展開している。人が好き、という陽気でオープンな性格は、インスピレーションで一気に描き上げる絵柄に現れており、藍の色が持つ健やかさと合間って、陽のエネルギーあふれる独自の作風が人気。布染だけの注文も受けている。




ACCESS


清光院下のギャラリー

〒690-0875 島根県松江市外中原町198-1
松江しんじ湖温泉駅下車 徒歩10分
連絡先 090-8713-0852〈DOOR 高橋〉

P4台有/清光院の駐車場には停められませんのでご注意ください。

HOME SWEET HOME

〒690-0888 松江市北堀町157-4
TEL/FAX 0852-22-0690 P有
※26日(水)は定休日



CONTACT


TEL 090-8713-0852
DOOR〔高橋〕
〒690-0015 島根県松江市上乃木1丁目22−22
TEL 0852-26-7846